利用者にとって最適化された個別ケアを実践するためには、ご家族しか知り得ない本人の長い人生の歩みや、細かなこだわりに関する情報収集が欠かせません。
入所前にどのような仕事に誇りを持ち、どのような家庭生活を送り、何に喜びを感じていたのかといったパーソナルな背景を、対話を通じて丁寧に引き出す作業が必要になります。
日常の習慣や好みの音楽、馴染みのある香りといった情報は、本人が環境の変化で混乱したり不穏な状態になったりした際に心を鎮めるための貴重な手がかりとなります。
たとえば、過去の職業にちなんだ役割を施設内でお願いしたり、昔馴染みの趣味をレクリエーションに取り入れたりすることも有効である可能性が高いでしょう。本人の自尊心が刺激され、生活に活気が戻るケースは枚挙にいとまがありません。

こうした情報を単なる記録として終わらせるのではなく、日々のケアプランに具体的に反映させることが大切です。その結果として本人が穏やかに、あるいは活き活きと過ごす姿をご家族にフィードバックすることが、最高のかたちでの家族支援となります。
ご家族を情報の提供者として、利用者の人生の伴走者としても頼りにし、共にケアの形を作り上げていく姿勢を持つことが重要です。
家族と情報を繋ぎ合うことは、個別ケアの精度を高める最短ルートといえます。そのための秘訣が書かれた『http://family-relationship.net』にも、ぜひ目を通してみてください。